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写真とARの融合で生み出される、新しいアイデンティティ

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フォトグラファー 広光 x クリエイティブ エンジニア Kuno Fell Asleep : Online magazine ”SICKY”に掲載 

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ABOUT "Faceless Portraits" 

今作"Faceless Portraits"は、広光とKuno Fell Asleepがコラボレーションをしていく中で生まれた。クラシカルなポートレートとカッティングエッジなフェイスフィルターを組み合わせた作品である。

広光 : ”顔”というアイデンティティを曖昧にしても、ポートレートは成立するのか?という単純な興味がきっかけで企画を開始しました。人種や性別、国籍などから解き放たれてポートレートを撮りたい、表現したい、という思いも強くありました。今振り返ると、僕は、マイノリティーであるアジア人だ、というコンプレックスがあったのかもしれません。

Kuno Fell Asleep : テクノロジーの発展とともに、フェイスフィルターを通じてスマホを持つ全ての人々が気軽にデジタルメイクアップを楽しめるようになってきています。現実世界においても、XReality技術などによる人体改造やポストヒューマンが実現する時代がそう遠くは無いはず。そういった手法を写真作品に取り入れることがこのシリーズを通しての一つの試みでもありました。未来の大衆芸術を、現在のハイファッションへ。そのような視点からもこの作品をご覧いただけますと幸いです。
 
Photographer : Hiromitsu Creative Engineer:Kuno Fell Asleep Hair & Make-up:Sho Tanaka Fashion:Terumasa Yamada
Model:NOZOMU、NELLO、岡本奎志、外山将平、尾北翼

 


Kuno Fell Asleep 
2019年Facebook主催のSpark AR Hackathon India準優勝。個人制作アプリの総ダウンロード数は10万台を超える。実績に、批評誌エクリヲ表紙アートワーク制作、Chupa Chups 広告起用、GINZAフィルター制作など。
Instagram → @kuno.fell.asleep

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Kuno Fell Asleep : 広光さんとは、学生の頃から共通の知り合いがたくさん居たのですが、実際にお会いしたのはちょうど名古屋から上京したタイミングぐらい。当時スープデザインに在籍していたアートディレクターの加納大輔とともに、広光さんのウェブサイトを作るプロジェクトに参加したのがきっかけです。僕自身がARやデジタル表現を軸に他の領域とコラボレーションすること自体に強い興味を持っている一方で、広光さんは新しい実験や、表現の試行錯誤に前向きで経験豊富かつ様々な状況に柔軟に対応できるタイプの写真家。各々のうちに養われた美意識やスキルセットをマージして、アイデアを最高のクオリティで実現するために、チームを組んでやっています。

もちろん「写真」に関しては、プロの写真家に対して、少なからずコンプレックスを感じたりすることも多いですが、ただ写真だけを純粋に学んできたわけではないからこそ、僕がその領域で戦える方法も多い気がしていて。 良い写真がインスタグラムにいくらでもある時代の中で、人々を驚かせる新しいアプローチの表現を日々トライアンドエラーしながら探り続けています。
 

広光: 僕のウェブサイトの制作を加納君に相談したところ、Kuno君とようやく繋がることができました。僕の持っていない才能や表現方法に驚き、憧れもあったのでとても惹かれました。以後、その都度コンセプトを決め、コラボレーション作品を制作しています。


"hiromitsunakahashi.com"
広光これが最初のコラボレーション作品です。どの写真にも優劣の差はなく、全て平等で等価値であるというコンセプトのもと構築しました。時系列も写真のサイズもランダムにバラバラで、下にスクロールすると無限に写真が現れます。写真も右端が切れたり、左端が切れたり、勝手にトリミングされたりします。”観る側への配慮”を敢えて削り、一枚の写真だけを観るのではなく、このウェブサイト自体が一つの作品になることを目指しました。(website)
 
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"human haze"
広光:この作品のタイトルはヒューマン(人間)・ヘイズ(霞、煙)。同じカットを数十枚ピクセル単位で合成して、存在しない仮想空間の渋谷をつくりました。動いている物体だけがぐちゃぐちゃになる、というアイデアがベースです。
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"OVEREXPOSE"
広光:overexposeとは、露光量が閾値を超えて、情報量が飽和する現象です。この作品はモノタイプという技法を使ったドローイングのアニメーションになります。1枚の花の写真が物理的に崩れる時間軸と、ピクセル単位でランダムに消えていく時間軸を交差させました。https://vimeo.com/339900915
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広光: 大学時代にプログラミングを用いて、作品を作るようなゼミや授業があったのですが、どうやったら写真に活かせるかと考え続けていました。いつかこういった技術で表現したい!という思いがありました。今はその環境が整って、どんどんアイデアを実現できることが嬉しいです。これからも人々を驚かせるような写真表現を追求し続けたいです。
 


HIROMITSU 広光
大学時代、グラフィックデザイン、映像、彫刻、建築、ランドスケープを横断的に学び、自身の写真表現の核として育む。彼にとって写真とは、機動性が高く時代にあったアウトプットのスピード感を持ち、また自己完結型でありながら他の多くの多彩なクリエイターと、自由に表現の幅を拡大できるツールであり、自身を最も表現できる手段だと感じている。Photoshop、3DCG、プログラミングや時にはフィルムやプリントを実際にカッティングして、新たな写真表現の可能性、美しさを実験的に追求している。被写体を通して独自に培ってきた価値観、視点を元に、現代の日本における様々なテーマを扱い作品を制作をしている。
 
1989年富山県生まれ。愛知県立芸術大学卒業。
現在、amanaグループUN.incに所属。
NONIO ART WAVE AWARD 2019 石井孝之 選 審査員特別賞
第21回、第13回グラフィック『1_WALL』入選など

Photographer

広光HIROMITSU

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