フレッシュで鮮烈な個性を放つ、up comingな1人の男性を、個性の全く異なるクリエーター3名が全力で撮りおろす。 "it boys" 特集。
あのフォトグラファーなら、どんな表情を引き出すだろう?どんな世界観を切り撮るのだろう?日々広告写真を撮影するフォトグラファーたちに、今後の活躍が期待される ”it boy” をそれぞれの感性で撮り下ろしてもらうプロジェクト"it boys" (vol. 0 introduction はこちら)
トップバッターは秦和真。
独自の世界を確立しつつある、新世代のフォトグラファーだ。
Theme:湿度とエスニック
トップバッターは秦和真。
独自の世界を確立しつつある、新世代のフォトグラファーだ。
Theme:湿度とエスニック







感情の機微、儚さ、温度、湿度、匂い、その一瞬をとらえたい : 秦和真
もともと古典絵画的な、暗くて湿度の高い写真が好きで、植物とアンティークを並べた静物画のような作品撮りをしていました。そのような世界に人物が入り込んだらどうなるか、いつか撮りたいと思っていたテーマです。小河原くんを見たときに、絶対に合うと思って提案しました。

彼のルックスからイメージしたのは、東南アジアや台湾などをミックスしたアジアンな舞台。(1/青背景・青衣装)の設定はやや具体的で、場所は台湾、「日曜日の昼下がりに少し気だるくたたずむ」情景です。こうやってインテリアや小物で設定を決めておくときは、モデルの方にもそのシチュエーションを共有しておきます。たとえば背景はあとで合成する場合でも、それがわからないと感情の出し方にも困ると思うので。


(2/黒背景)は学者風の人物でキリッと大人っぽい表情を意識してもらうように当初は想定していたのですが、撮影しているうちにニュアンスを変え、最終的にセレクトしたのは、プライベートな雰囲気のカットになりました。


(3/赤背景)は背景だけだったので、フリーに表情やポーズを作ってもらいました。先に2つの設定の撮影があったので、ひとつなぎの作品として、その延長線上にうまく演技してくれました。こちらの求めるトーンをわかってくれたのだと思います。最後に撮影した(4/青背景・赤衣装)は、その場でどうするか相談しながら決めていく感じでした。
想像の範疇を超えてくれるチームと
スタイリストの吉川和彦(EWER)くん、フローリストの越智康貴(DILIGENCE PARLOUR)くんとは、ふだんからチームで作品を撮影しています。ふたりともセンスが合うし、自分の意見も言ってくれるから、方向性を確かめながら進めていくことができます。
ヘアメイクのKuwamoto Katsuhikoさんは今回が初めてですが、以前拝見した作品がウェットな雰囲気でとてもきれいだったので、ぜひにとお願いしました。今回はそこまでレタッチしませんでしたが、合成を使うこともあります。レタッチャーの宮東晶さんは専門学校の同期で気心が知れていて、自分のトーンもわかってくれています。絵画的なものが好みだけど、程度を見極めるのがなかなか難しいので、ありがたいです。
ヘアメイクのKuwamoto Katsuhikoさんは今回が初めてですが、以前拝見した作品がウェットな雰囲気でとてもきれいだったので、ぜひにとお願いしました。今回はそこまでレタッチしませんでしたが、合成を使うこともあります。レタッチャーの宮東晶さんは専門学校の同期で気心が知れていて、自分のトーンもわかってくれています。絵画的なものが好みだけど、程度を見極めるのがなかなか難しいので、ありがたいです。




ディティールへの落とし込み
今回は「赤・青・黒」の3色を基調にしました。小河原くんのInstagramを拝見して、赤が似合うと思い、対になる青と組み合わせました。ふだんは暗い黒っぽい背景の写真が多く、赤や青というヴィヴィッドな背景は初めて。自分の作風、質感を崩さずどこまでできるかのチャレンジでもありました。自分の幅を少しずつ広げていく挑戦は続けていきたいですね。


冒頭に述べたように、絵画的な作品を撮ることが多いのですが、なかでも「人間の死すべき定め」とか「死の普遍性」をテーマにしたヴァニタス画のような作品が得意です。モチーフとして「花」を入れることが多いのは、咲く時期が短く刹那的で、枯れゆく姿も美しいから。植物に惹かれるのは、自分が思春期の頃、辛いことや嫌なことがあると、育った家の前の森で散歩して癒やされることが多かったからかもしれません。今回の撮影では、そのような花の象徴性と、設定に合わせた小河原くんの表情の瞬間ごとの変化を、効果的に組み合わせることができたと思います。
個人的な趣味としては、インテリア、とくに和家具が好きです。絵画はやはり、古い宗教画や群像図的なものに惹かれます。現実ではありえないようなドラマティックな構図やポーズを、いつか写真で再現してみたいです。
個人的な趣味としては、インテリア、とくに和家具が好きです。絵画はやはり、古い宗教画や群像図的なものに惹かれます。現実ではありえないようなドラマティックな構図やポーズを、いつか写真で再現してみたいです。
『装う』 小河原義経
「素」ってなんですかね、難しいですね。装うのは、違う自分になりたいという願望の現れでもある。今回は色々な衣装を着て変身しましたけど、これも自分の一部なんですよね。僕は20歳で洋服が好きになって3年ぐらいですけど、ギャル系ファッション以外はひととおり着てきました。だからどんなに派手な格好でも抵抗がなくて、なんとなく雰囲気の出し方がわかる。その服を着ることで歩き方や話し方、佇まいが変わりますよね。服装ひとつで人は本当に変われる、そういうパワーがあるんじゃないかと思っています。今は90年代の裏原系ファッションにはまっています。シンプルなかっこよさで生地もよくて、当時のままじゃなくて、今風に、自分なりの着こなしをしてリバイバルを盛り上げたいですね。


(3/赤の背景)は、自分の中の不良感、サスペンスの方に寄せてみました。(2/黒)のときはセクシーな感じで……どちらも秦さんから受けた指示というわけではないんですが。すでに物が置いてあるところに自分が入っていくとき、そこに馴染みにいくのか、場を変えるスパイスとなるのか。お互いに写真を撮り、撮られながら、探り合っていく。イメージしたものが一致したときに、良い写真が撮れる。でも、自分の浮かべていたイメージと異なるものだったとしても、「それもありだよね、それでいこうか」とか、逆にこちら側が「それいいですね、そうしましょう」とか、そうやって判断してくのも好きです。自分の中にあるいくつかの選択肢から出していくんです。
小河原義経
映画やCM出演、ファッションモデルなどの幅広いフィールドで活躍し、出演したあいみょんのミュージックビデオでは大きな話題を呼ぶ。茨城県出身で18歳のときに専門学校進学のため上京。20歳でファッションにはまり、友人関係を通してモデルの道へ進み、さらに役者を目指して現事務所へ。ピュアで強いまなざしや、くるくる変わる表情が印象的な23歳。
officical website : http://numbereight-models.jp/portfolio-item/yoshitsune-ogahara/
instagram : yoshitsune_ogahara
Vol.2 岩本彩 篇へ続く
小河原義経
映画やCM出演、ファッションモデルなどの幅広いフィールドで活躍し、出演したあいみょんのミュージックビデオでは大きな話題を呼ぶ。茨城県出身で18歳のときに専門学校進学のため上京。20歳でファッションにはまり、友人関係を通してモデルの道へ進み、さらに役者を目指して現事務所へ。ピュアで強いまなざしや、くるくる変わる表情が印象的な23歳。
officical website : http://numbereight-models.jp/portfolio-item/yoshitsune-ogahara/
instagram : yoshitsune_ogahara
Vol.2 岩本彩 篇へ続く
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秦 和真Kazuma Hata
秦 和真Kazuma Hata