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3人のフォトグラファーが本気で切り撮る "it boy" 小河原 義経 vol.2 -岩本彩 篇-

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フレッシュで鮮烈な個性を放つ、up comingな1人の男性を、個性の全く異なるクリエーター3名が全力で撮りおろす。 "it boys" 特集。

あのフォトグラファーなら、どんな表情を引き出すだろう?どんな世界観を切り撮るのだろう?日々広告写真を撮影するフォトグラファーたちに、今後の活躍が期待される ”it boy” をそれぞれの感性で撮り下ろしてもらうプロジェクト"it boys" (vol. 0 introduction / vol.1 秦和真篇

被写体の「内面」を優しく表現したいという岩本彩は、"it boy"小河原義経の紡ぐ「言葉」に注目した。



Theme:言葉を纏う(まとう)

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ビジュアルと言葉、その人自身が表れるもの : 岩本彩

この企画のモデルになっていただくことになった小河原義経さんがインタビューされた記事やSNSを拝見したら、心地よい詩的な言葉やメッセージを発しているところに惹かれました。

以前、コピーライターの方が開催している「言葉の企画」という講座に参加していました。これまで、自分の仕事はビジュアルで魅せるものだからと逃げてきたところもあったのだけど、写真に込めた意図や思いを「言葉」できちんと説明したいと思う場面が増えてきたので。そのような興味から、とても言葉を大事にしている義経さんとの出会いで、「言葉を着る、纏う」という企画を思いつきました。

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撮影の1週間前、義経さん自身がノートに書き留めていた言葉からいくつか選んで、手書きで1文字ずつタブレットに書いてもらいました。それを、スチレンボードに印刷して切り抜き、風景の中に配置するというアイディアです。スタジオではなく公園などロケで撮影したかったので、ヘアメイクをお願いしているYOSHI.Tさんと相談し、目立つように文字の色は白に決定しました。(Special thanks to FLAT LABO)

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ヘアメイク自体はナチュラルなイメージだったのですが、YOSHIさんはペイントを加えたり、紙で工作したりして、日常の風景の中にワンポイントを入れるようなアートワークも手掛けています。この「少しの違和感」がとても好みで、ぜひ一緒に作品をつくりたいと思いました。

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「少しの違和感」を効果的に表現するためには、全体を自然なトーンで撮影することが重要でした。たとえば、立体化した文字を設置するのも、美術の専門家にお願いすればきれいにスムーズにできたと思います。けれど、今回は整え過ぎたくなかったのと、私もYOSHIさんも自分たちでやること自体に楽しさを感じるので、手書き文字がアウトプットできるテクノロジーに驚きつつ、設置は自分たちで行いました。

私は介護の仕事に携わっていたときにある家族と出会い、彼らを撮りためた写真で展覧会(「宇宙とかいてうみとよぶ」)を開催したことがあります。人間の、そのままの姿の魅力、美しさに興味があるんですね。だから今回は義経さんの「素」を表現するような「言葉」を撮りたかったんだと思います。衣装やメイクで別人になるのも楽しいけれど、義経さんに私服を着用していただいたのもそのためです。

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また実際に「言葉を纏う(まとう)」撮影をして改めて思ったのは、言葉は流れていくもので一瞬で過去になってしまう “写真” と同じだなあということ。義経さんが“言葉”を書き留めた“とき”と、タブレットに書いた“とき”には時間的なズレがあり、また纏っていた“とき”にはかなり過去の言葉になっていたと思います。この掲載を見るときには、この時の言葉が懐かしいくらいさらに昔に感じるかもしれないけれど、『AHHHhhhh...』という言葉を晴れた空にみんなで投げたことは良い思い出です。

ヌードになるより、“自分の言葉”を纏う方が恥ずかしい部分もあったかと思いますが、撮影中の彼は周囲に呑まれず、自分と向き合っていた感じが印象的でした。

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『言葉』 小河原義経 

初めて「自分」だったんじゃないかという、特別な撮影でしたね。写真の中に言葉があると、一緒に目に留まりますね。そこで僕の他の言葉も読んでくれたり、人として知ってもらえたら嬉しいです。

このような言葉は急に浮かぶことが多くて、たとえば信号機が青・黄・赤と変わっていく瞬間を比喩的にとらえて、「人もスイッチが切り替わることがあるな」とか、そういうふうに考えることが多いです。でも、人によってこういう言葉が来たらこう続くみたいな、連想の「クセ」というか、好みの言葉や特徴や作家性があると思うんですけど、僕はまだなくて。そういうのを求めているんですね。よくいえば、これからってこと。川谷絵音さんの歌詞や、北野武さんの「間」が好きです。以前は言葉を読まれることに恥ずかしさがありましたが、ある程度やっていると、「そういう人だ」と知られていくから、堂々と言葉を発することができるようになってきました。
 

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最初に撮影した「どんな風に愛せばよかった」は、「過去」の感情であって、構図としては僕が手前に出て、言葉を置いていっています。撮られる自分としては「そんなことを思っていてもしょうがねえよ」と、次の段階に進もうとしているというか。

「割れた過去から溢れてくる景色」という言葉は、時空が避けて自分の過去がその中から滝みたいに飛び出す情景を浮かべました。誰もが知っている簡単な言葉と言葉を掛け合わせて、というのが伝わりやすいかなと。

「雰囲気にしようと思って」は、役者のタイプとして「強さ」があるのと「雰囲気」がある人がいると思うのですが、メジャーに活躍している人って、雰囲気もあれば強さもあるんですね。自分の場合、「強さ」が出すぎて合う役がないと言われることもあって、あるオーディションの前に、親しい人に「雰囲気にしようと思って」と伝えたら、「絶対止めた方がいい」と。この言葉は迷いの言葉です。どちらかだけなら難しくないけど、強さに雰囲気を併せ持ちたい。強さがあって雰囲気があって踏み込む度胸もあって、次はどんなことをするんだろうと思われる役者になりたいですね。
 


小河原義経 
映画やCM出演、ファッションモデルなどの幅広いフィールドで活躍し、出演したあいみょんのミュージックビデオでは大きな話題を呼ぶ。茨城県出身で18歳のときに専門学校進学のため上京。20歳でファッションにはまり、友人関係を通してモデルの道へ進み、さらに役者を目指して現事務所へ。ピュアで強いまなざしや、くるくる変わる表情が印象的な23歳。

officical website : http://numbereight-models.jp/portfolio-item/yoshitsune-ogahara/
instagram : yoshitsune_ogahara


 

Vol.3 堀内誠篇へ続く


 

岩本 彩Aya Iwamoto

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