コロナ禍以降、組織のインナーコミュニケーションにおいては新たな課題が浮き彫りになっており、アマナにも様々な企業からの、チームワークや帰属意識、組織風土の醸成に関するご相談が多く寄せられています。
このような課題を解決するために、どのようなアイデアがあるでしょう?
今回は、現在もリモートワークやハイブリッドワークの割合が多いアマナで、実際に行われた取り組みの1つ「オンライン入社式」についてご紹介します。
コロナ禍に入社した社員である高橋が、実際に「オンライン入社式」のプランニングを担当したプランナーとアートディレクターに話を聞きました。
Planner&Producer 市村純 Jun Ichimura
ムービー、WEB制作のディレクターを経て、ブランディング、コンテンツマーケティング戦略立案、企業におけるクリエイティブワークフローの構築まで、クリエイティブ領域において幅広く企業を支援。
Marketing Director (当時:Art Director) 北川潤一 Junichi Kitagawa
グラフィック、POP、WEB、ムービーに至るまで、メディアを跨いで様々なデザイン・アートディレクションを経験。ロジカルなアプローチによるデザインを得意とする。現在は主にイベントマーケティングに従事。
「一体感」のあるオンラインイベントをどう作るか
-まずは、企画の経緯や背景をお伺いしてもよろしいでしょうか。
市村純(以下、市村)
最初に人事のメンバーから、オンライン入社式のプランニングの相談をいただきました。当時はまだコロナがひどくて、アマナだけでなくいろいろな企業の人たちが、 こういう社内イベントをどうしていこうと悩んでいた時期だったんです。そんな中でオンラインであっても、どうすれば新入社員がより自分たちの会社を身近に感じてもらえるか、自分たちがこの会社に参加してるという気持ちになってもらえるかを考えていきました。ウェルカム感を演出するのはもちろんですが、それだけだと一方通行になってしまう。オンライン上でも一体感を感じさせるために、双方向のコミュニケーションをどう作るかがポイントでした。
北川潤一(以下、北川)
そんなお題に対してまず我々が提案したのが、ZOOM背景の配布でした。ZOOMだと、背景がバラバラだったり、人数が多いと全員の顔が一度に見られなかったりして、みんなが同じ場に参加しているという感覚が得にくいんですよね。一体感を感じてもらいたくて、まずはZOOM背景を工夫しようと。また、何種類も用意することで、選ぶ画像によって個性が出てお互いの人となりを知る一助にして欲しいと思いました。
▼ZOOM背景ビジュアル:いずれもアマナのフォトグラファーの作品
Ph:AKANE
Ph:ソンジン
Ph:井口 俊介
Ph:関口 尚志
Ph:高橋 草元
Ph:小原 清
Ph:曽根原 健一
Ph:大久保 歩
Ph:猪飼 ひより
-たしかにこの背景のおかげで、オンライン特有の味気なさがなくなり、視覚的にとても華やかでしたし、歓迎されているというのもとても伝わって嬉しかったのを覚えています。同期に対しての仲間意識も感じ、同じ時間を過ごしている感覚もありました。クリエイティブの会社に入ったんだなあという実感も感じられて、背筋が伸びるような思いもしましたね。モチーフは「植物」をテーマにされたそうですが、そこにはどのような意味があったのですか?
北川「入社式のコンセプトは、「FIND YOUR STAGE(=ここからアマナで成長していく、そのきっかけになるような入社式)」でした。そこで、皆さんが「根差す場」という意味を込めて、植物やお花を全体的なモチーフにしようと検討していったんです。そしてアマナにはたくさん素敵なフォトグラファーがいるので、 テーマに合った写真をご提供いただきました。新入社員の皆さんに社内フォトグラファーのことを知って欲しいというのもありましたね。」
-そういえば、事前に送られた入社式キットの中には、お菓子やコーヒーも入っていましたよね。
市村「そうですね。オンラインでもみんなと同じものを食べたり飲んだりしながら会に参加してもらいたいという狙いでした。我々は五感をすごく大事にしているので、嗅覚や味覚も通していろいろ感じてもらえるよう考えました。」
入社後のコミュニケーションをどう生み出すか
北川「ZOOM背景だけでなく、連動したデザインのiPhoneケースも併せて作成し、新入社員の皆さんに選んでもらって配布しました。社用スマホは常に持ち歩くものなので社内外でのコミュニケーションのきっかけにしてもらいたいという狙いがありました。」
-ZOOM背景もiPhoneケースも、それを見た先輩方にたくさん声をかけていただきました!先輩だけでなくお客様との会議でも「素敵な背景ですね」と褒められることが多くて、様々な場面で何度も会話のきっかけになりました。
北川「まさに狙い通りですね。これは当時の新入社員とフォトグラファー本人にしか配布していないので、これを使ってる人=当時の新入社員なんです。これを持っているのは新入社員だから、声掛けもしていきましょうね、という先輩社員へのメッセージにもなっていたというか。他にも、新入社員にクリエイティブを扱う会社の一員であるという自覚を持たせる、という狙いもありましたね。」
アマナが提案する「ビジュアルコミュニケーション」の強みとは
-コミュニケーションの施策を考える中で、アマナだからできることはなんだと思いますか?
市村「まずは企画段階からクリエイターを交えて話せることだと思います。フォトグラファーだけでなくデザイナーやプランナーなど様々なクリエイターが在籍しているので、そういう方たちのアイデアや視点を早い段階から取り入れていけることは強みだと思います。社内クリエイターがいないと、企画は担当の人が考えてフォトグラファーは決められたものを撮る、みたいになってしまいがちなんですよね。」
-今回お話いただいたのは社内での取り組みですが、同じようにインナービジュアルの制作を企業向けに行っている事例もありますね。その中でもフォトグラファーが、ディレクションの段階から参加させていただいているそうなのですが、「対象の魅力を引き出す」ということを生業としている人が企画からいてくれるのは、とても強みになりますよね。毎年ご依頼いただく企業様もいらっしゃるので、そういった点にもご満足いただいているのかなと思いました。
北川「あとは技術的なことですが、リアルタイムレンダリングに対応できるエンジニアもアマナにはいるので、グリーンバックのスタジオでCG空間を合成しながらイベントを行う、みたいなこともお手伝いできます。リアルイベントも戻ってきたとはいえ、バーチャルイベントやハイブリッドもこれからも求められていくと思うんです。遠方に住みながら働く人も増えていますしね。」
-たしかに。アマナは撮影、CG、空間デザインなど幅広く対応できる体制があるので、様々な媒体でのビジュアルコミュニケーションのご相談を受けることができますね。
まとめ
1 インナービジュアルの活用が、コロナ禍のオンライン入社式にも「一体感」を生み出した!
2 さらに、社内コミュニケーションの活性や、社員のモチベーションの向上にも寄与!
3 企画段階からクリエイターも一緒に作り上げられるのがアマナ流!
編集者のひとこと
高橋珠里(Associate Producer)
オフィス近くの八百屋でフルーツを買って食べることにハマっています。右手にバナナ、左手にオレンジを持って歩いていた時、ふとゴリラみたいだなと思いました。
3 Sept 2024