top of page
わたしのマイルール:日常のユーモアをクリアな世界観で描く

チキンライスにのったグリーンピースを一つ一つ、慎重にお皿の端へ寄せる女の子。 苦手なのかと思いきや、最後に満面の笑みでパクっとほうばる。 「好きなものって最後までとっておきたい」という女の子を主役にしたショートムービー。

フォトグラファーの瀬沼苑子とディレクターの榊原万琴の共同制作による『わたしのマイルール』は、 3人の女の子の7日間を、独特なルールを、ユニークな視点で描いている。





今回の作品制作において初めてタッグを組むことになった瀬沼と榊原。 まずは「お互いを知ろう」というプロセスで、 それぞれの得意な表現や作品イメージを伝え合うところからスタートした。



フォトグラファー瀬沼苑子が得意としているのは「日常、透明感、クリアな世界観」。 見る側の心にすっと溶け込み、心地よい余韻が感じられる柔らかなトーンが特徴である。



一方、ディレクター榊原万琴は「カラフル、ポップ、ユーモア、ハッピー」といった表現が得意であり、 ワクワクさせるポジティブな制作実績が多数ある。



異なるベクトルのトーンを持つ二人が、お互いの得意分野をかけ合わせるように 「透明な世界観」×「ユーモアのある演技や衣装」という設定で作品制作を開始。

二人のクリエイティブを広く知ってもらうため、 毎日SNSに見に来てもらえる展開を狙いシリーズものに仕上げ、 視聴者の共感を得られるようなストーリーを構築した。


リアルなマイルールを集めて映像化


榊原「毎日、SNSで見てもらいたかったので、スマホで見やすいよう縦型のショート動画に設定。ストーリーも登場人物の心理描写だけではなく、日常的な『マイルール』に焦点をあてました。そうすることでユニークさや、どこか背中を押してくれるようなメッセージがさりげなく伝わるのではと考えました」



瀬沼「見る側の共感を呼び起こすために、インスタグラムでアンケートを実施し、リアルなマイルールを集めました。集まったマイルールを、食べる系、モノ系、行動系などのカテゴリーにわけて、どのマイルールが画的に伝わりやすいか、映像に仕上がった時の伝わりやすさも考えて、最終的に3つに絞り込みました」



二人の作品に共感してくれたヘアメイクの白銀一太さん(TENT)と衣装の天野愛己さん(mahna mahna)が、コンテに沿ってイメージにあった衣装やメイクを提案してくれた。ポップな衣装やメイクが引き立つよう、ロケ地は飾らない雰囲気のリアルな公園やカフェを選定。

撮影はたった1日。太陽光で撮影できる時間も限られているので、段取りがなによりも重要になる。綿密に組み立てられた香盤表を基に息の合ったチームワークで3人の7日間を見事に撮りきった。


瀬沼「どのシーンも思い入れがあります。端さんがグリーンピースを本当に美味しそうに食べてくれるので、カメラを構えながらにやけてしまいました。つかささんの撮影ではヘアメイクさんのアトリエを部屋っぽく見せるために、私物のインテリアを置いたり、壁には私の作品をさりげなく飾っています。」


榊原「今回の演者は、普段は舞台に立つ役者に出演してもらいました。普段から演劇が好きでよく舞台を見に行くので、気になっていた役者や、イメージにあう役者を探してSNSを通して出演交渉しています。皆さん作品コンセプトに共感してくださり、舞台ではあまりしないようなヘアメイクを楽しんでくれました。」


広告制作とは異なるクリエイティブの挑戦

作品完成後にはインスタグラムでシリーズとして展開。SNSでの反響も大きく、「面白かった」というコメントやリツイートが多く寄せられている。役者のファンからも、舞台での演技とは違った雰囲気に「かわいい」「雰囲気ちがう!」といったダイレクトな感想が届いているそうである。制作側にとっても、現場での自分たちのアイデアを活かしながら制作した経験は、広告制作とは異なる気づきや発見があり、新たな手ごたえとなった。


瀬沼のみずみずしいクリアな世界観と、榊原のユニークでポップなエネルギーを感じる作品 『わたしのマイルール』。それぞれ7日分のストーリーがあり、続きは瀬沼榊原のInstagramから見ることができる。また8月5日~9月2日までの間、海岸スタジオ1階にも作品を展示。ぜひご覧いただきたい。 わたしのマイルール:上から →Shiori グリーンピース編 →Ami ぬい編 →Tsukasa 脱皮アート編







profile 瀬沼苑子 1997 東京生まれ

2020 東京工芸大学 卒業

2020 株式会社アマナ NAGAYA入社

2023 株式会社アマナ 所属

高校生のころに出会った一冊の本をきっかけに広告の道を志す。

清潔感と透明感の溢れる写真は、見る人の心にすっと溶け込みながら余韻を残す。

見たときに揺らいだ瞬間や眼差し、溢れる光を優しく掬い上げ、

丁寧に箱におさめるようにそれを切り取ってきた。

「共存する」というワードを軸に、自身の写真をブランド化し、

共感しあえる広告を目指しながら、写真・映像ともに幅広く活動している。 マイルールは「ショートケーキを食べるとき、まず上のイチゴを食べてから生クリームを平にすることと、 バウムクーヘン(個装)の層をはがしながら食べること」。 Instagram snksnm1997

profile 榊原万琴 2012年 女子美術大学 絵画学科 洋画専攻卒業。

2011年より制作進行を4年間勤める傍、

2013年 JTB「夏旅(ハワイ・国内)」「エースJTB」のTV-CMプランニ

ングを手がける。

2015 年 転職を機にプランナー・ディレクターとして活動。 2019 年

よりamanaにて動画ディレクター・プランナーとして活動中。

マイルールは「牛乳を飲むのが習慣で、ご飯を食べながらでも牛乳を飲みます。 骨が丈夫かも?ちなみに骨折したことはありません」。 Instagram macco_1710






staff


フォトグラファー:瀬沼苑子

ディレクター/プロデューサー:榊原万琴

アシスタントプロデューサー:橋本安由子

ヘアメイク:白銀一太(TENT)

スタイリスト:天野愛己(mahna mahna)

音楽:渡邊光平(UN/Schuwa Schuwa)


出演者(五十音順)

つかさ

中野亜美

端栞里



<写真/瀬沼苑子><文/計盛祐子>

29 Oct 2024

多彩なキャリアと好奇心の結晶:ムービーディレクター謝花香織をインタビュー

多彩なキャリアと好奇心の結晶:ムービーディレクター謝花香織をインタビュー

22 Oct 2024

「UCC上島珈琲 ブラックコーヒー 」グラフィック&ムービー制作

「UCC上島珈琲 ブラックコーヒー 」グラフィック&ムービー制作

”見たことのないシズル表現を”アマナの高度な技術を融合

15 Oct 2024

五十嵐拓也が「コマーシャル・フォト」2024年11月号に登場

五十嵐拓也が「コマーシャル・フォト」2024年11月号に登場

8 Oct 2024

CGが描く花と水の美学  DECORTÉ - AQ BRIGHTENING映像の制作

CGが描く花と水の美学  DECORTÉ - AQ BRIGHTENING映像の制作

技術革新が織りなすCG映像の裏側

RELATED ARTICLES

瀬沼 苑子

瀬沼 苑子

Sonoko Senuma

瀬沼 苑子

2 Aug 2024

フォトグラファー瀬沼苑子とディレクター榊原万琴のコラボレーション作品

CGX.jpg

ビジネスの変化にCGをクロスせよ

amana CGX

CGX.jpg
bottom of page