2024年10月末に海岸スタジオで、若手アートディレクター向けにシズル勉強会が開催されました。
クライアントの課題として、若手アートディレクターがディレクションするにあたり、シズル撮影の工程、CGのノウハウや知識をインプットすることの重要性を感じているとの事で開催に至った勉強会。
当日はフォトグラファー曽根原、レタッチャー首藤によるシズル撮影体験会と、CG部門坂本のCG勉強会が行われました。
photographer 曽根原 健一 Kenichi Sonehara
1975年東京都生まれ。フォトグラファーを父に持ち、写真や絵画など多種多様なビジュアルに触れながら、Nikon F3を手に写真に夢中となる少年時代を過ごす。
1998年にアマナ入社。
2001年からフォトグラファーとして活動を開始。
プロダクト及びシズル撮影を得意とし、後に人物撮影もスタート。
幅広いジャンルでの圧倒的な撮影量が礎となり、中国、シンガポールをはじめとするアジア圏、及びグローバルキャンペーンなど、国内外で指名を受けながらボーダレスに活動中。色、形、質感の緻密で鮮やかな再現性と表現力、硬質なライティングに定評があり受賞多数。
座学では、シズルとは?から始まり、曽根原の事例やムービーを見ていただきながら良いシズル写真やムービーについて解説されました。
体験会では、ビールの缶に水滴をつける撮影、化粧品のボトルに水をかけて撮影する体験が行われました。
ここでビール缶に水滴を上手くつけるコツを1つだけ公開します。
「どんなに上手いシズル師に頼んでも、綺麗すぎるとどこか人工的になってしまうんですよ。最初は荒く水滴をつけた後に、整えていくと自然に仕上がります」と曽根原。
当日はシズル撮影に関するメソッドやこだわり、コツなどが曽根原によって解説されながら体験会が進められました。
体験者が水滴をつけた写真を見て、「繊細な雰囲気でいいですね」と曽根原。
その後、化粧品ボトルに水をばしゃんとかけて行うシズル撮影をクライアントに体験していただきました。
水かけのタイミングと合わせて撮影する最中、「これ、難しい!全然思ったようにいかない」と体験者の声が聞こえてきました。
撮影したシズル素材の中から良い写真をセレクトし、レタッチャー首藤によってレタッチで合成していきます。
アートディレクターのクリエイティブ魂に火が着き、理想のシズル写真に仕上げるため、レタッチ後に追加素材を撮影するなどこだわりを持って体験されていました。
CG勉強会では、CGのスペシャリストである坂本が、CG制作のワークフローから、CGのメリット、デメリット、制作事例を交え各部門の特徴を解説しました。
普段触れる事が少ない、CGのワークフローを撮影のワークフローに例えてわかりやすく解説しています。
勉強会後は参加した若手アートディレクターとアマナの若手クリエイター、プロデューサーの交流会も開かれ、マッチングの場となりました。フォトグラファーがポートフォリオブックをプレゼンすると、参加者は興味を持って質問するなど新しい表現を探っていたようです。
勉強会に参加したアートディレクターからは
「シズル撮影会については実際に体験してみると、思ったように撮影できず、技術が必要だと実感したし、良いシズルが作られる現場に触れ、今後のディレクションに生かされる内容でした。CG勉強会については、CGの案件をディレクションした後だったので、CGのワークフローや制作範囲をその場で質問しながら確認することができて勉強になりました。
また特にコロナ渦入社の若手社員とはリモートワークが多い現在、今回のようなリアルなワークショップに一緒に参加することで、良い社内コミュニケーションの機会となりました。また別の体験会があった際には参加したいです。」
と高評価のコメントをいただいたようです。
プロデューサー篠原コメント
「コロナ渦以降、このような体験会は少なくなってきていましたが、シズル撮影を実際に体験したりCGについて質問頂いて、新しいアイディアや表現に繋げて頂ける良い機会を創出できました。また、若手のアートディレクターとアマナの若手クリエイター、プロデューサーとのマッチングの場も提供でき、新しい取り組みに繋げていけたら良いと感じています。」
別のニーズに合わせてアートディレクターの新人研修にシズル撮影会を組みこんだり、ポートレート撮影会の企画もアイディアとして上がっているようです。
シズル撮影、CGのお仕事をお待ちしております。
26 Nov 2024