2024年9月4日に開催された「CREATORS EDGE 2024」に、フォトグラファーでシズルディレクターの大手仁志が「五感を刺激する料理撮影」をテーマに登壇しました。この記事ではセミナーの中で紹介された料理撮影のポイントをお伝えします。
photographer・sizzledirector 大手仁志 Ote Hitoshi
1985年株式会社アーバンパブリシティ(現・株式会社アマナ)に入社。「食」の撮影を専門とするクリエイティブチーム hueを立ち上げ、37年間に渡り「食」に関する広告写真の撮影、ビジュアル制作に携わる。食材や料理がもつ生命力を切り取り表現することが食のフォトグラファーの使命と考え、その視点と技術は、国内外で高く評価されており、数多くの広告賞を受賞。最近はシズルディレクターとして制作に関わりつつ、「伝わるシズル」をテーマにしたセミナー等を多数開催している。
料理撮影における、五感を刺激するポイント
大手は料理撮影をする上でもっとも大切なのは、立体感、つや感、いろどり、ライブ感、空気感の5つがポイントだと語ります。セミナーではそれぞれ具体的な撮影事例を挙げ、フォトグラファーとして、どういった要素に重点をおいて表現しているのかを詳しく紹介しました。
セミナーでは、大手が率いるアマナのシズル撮影専門チーム hue(ヒュー)による幅広い撮影事例が紹介されました。食に特化したチームが積み上げてきた料理写真の数々は圧巻!セミナーがちょうどお昼時ということもあって、「お腹がすくセミナーだった!」という感想もたくさんいただきました。
“食べたい!”と思わせる、ライティングとは
料理撮影は、単に「おいしそうに見える」だけでなく、写真を見た瞬間に「食べたい!」と気持ちを掻き立てる要素も重要です。例えば、油がはじける音、揚げたての香り、食材の鮮度や触感を想像させるような視覚的な演出が必要になります。大手はコマーシャル・フォト2023年4月号の連載「おいしい瞬間」で自身が撮り下ろしたビジュアルを例に、“揚げたて感”をどのように作り上げたのか、一つひとつライティングを分解して、それぞれの役割や効果について解説しました。
からっとした、揚げたて感を演出するポイントは、油の色や、唐揚げの表面についた油の細かい粒。意識していないと見えていない細部にまで、フォトグラファーのこだわりが詰まっています。
料理撮影において、被写体がベストな状態を保てるのはほんの一瞬です。その中で、いかに五感に訴えかけるビジュアルを作り出せるのか、食に特化したフォトグラファーチームhueは、長年の経験とともに積み上げてきた撮影技術や、細部への徹底したこだわり、そして最新の食のトレンドにも敏感に対応できる柔軟性を兼ね備えています。
ブランドや料理が写真を通じて「本当に伝えたいおいしさ」を表現したい場合はぜひご相談ください。また伝わるシズルをテーマにしたセミナーのご依頼もお待ちしております。
<文/計盛祐子>
10 Sept 2024